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2013年11月28日木曜日

カウンセリングと「いちまいばなし」その3

連載3回目に突入した『カウンセリングと「いちまいばなし」』。今回が完結編です。
カウンセリングの学校で行った「いちまいばなし」について、
物語を作るその裏側に、参加者のどんな心のやりとりがあったのかを
聞いていったインタビューの模様をお伝えしています。
前回の記事はこちら

まだ「いちまいばなし」あんまり知らないよ。。という方は
以下のページを見てもらうと良いかもです。
 「いちまいばなし」とは?
「いちまいばなしのうらばなし」
「いちまいばなしのうらばなし」ラジオ版

(注)写真はイメージです。
まずは作った物語をもう一度おさらい。

「みんなの夢」
2013年11月23日

公園でクリスマスが行われていました。
公園には噴水と、切られてしまって半分になった大きな木がありました。
その木から、別の木にイルミネーションが飾られていました。
公園にはお母さんと子どもがいました。
そこにプレゼントが大、中、小とありました。
意外と小のプレゼントが良さそうで、
開けてみるとゲームが入っていました。
それは今まで誰も見た事もやった事も無いゲームで、
切られた木から、噴水まで飛べるかというゲームでした。
プレゼントの送り主は解りませんでした。
もう少し人が来てほしいなと思って、
ラジカセでクリスマスソングを流すと、
人が30人程集まってきて、
みんなで木から噴水に飛ぶゲームをやって、とても盛り上がりました。
ゲームで1等になった人が大きなプレゼント、
2等になった人が中くらいのプレゼントをもらいました。
2等の中くらいのプレゼントは、箱にいっぱい入った宝くじでした。
1等の大きいプレゼントはハワイ旅行で、その場にいた全員分チケットがあったので、
みんなバラバラでハワイへ行きました。
そして、これは全て最初にいた親子の子どもの見た夢でした。

さてここからは前回のインタビューの続き。
この「いちまいばなし」は11人の参加者を2周して作られました。
ここから便宜上、それぞれの参加者を1さん〜11さんと名付けます。
また、それぞれの発話について、
司会の問いかけ問いかけに対する参加者の発言発言の動機やイメージ
という3色で表してゆきたいと思います。


1周目が終わり、「プレゼントの送り主は解らなかった」という所まで話が進みました。
2周目に入り、再び1さんの番です。
折り返し地点を過ぎてだいぶ物語が流れて来たので、
このあたりから参加者にさらに展開を委ねるべく、質問はかなり丸投げになってきます。
「ここからどうしましょう?」と1さんに聞くと、
「人がたくさん集まったらいいなぁ。」との回答。
1さん曰く「みんなで集まりたいと思ったから」だそうですが、
「こうなった。」と行動や内容を言わずに、自分の願望を答えるという珍しいパターンです。

そんな1さんの願いを受けて、
「…という意見があるんですが、どうしたら良いですかね?」と2さんに聞いてみました。
2さんからは「ラジカセでクリスマスの音楽を流してみる。」との回答。
自分から騒いで人を集めるのは恥ずかしいので、
とりあえず音楽をかけて間接的に集めようと思ったという、
前の参加者の意向を汲むのだけれど、正面からではなくサイドから攻める方法が出てきました。

さらに続けて、
「するとどうなりましたか?」と3さんに尋ねると、
「人が集まって来た。」とのこと。
「何人くらいですかね?」とさらに聞くと
「30人くらい」と具体的な数字が帰ってきました。
この数字について後で聞いてみると、
「実際に今日、クリスマスのイルミネーションに30人程人が集まっていたのを見たから。」
ということで、実体験からの発想だったようです。
1さんの発言を受け、2、3さんは共にその願いを受け入れる形の流れになりました。

公園に人が集まって来て、状況がまた変わって行きそうだったので、
「人が集まってきましたが、どうしましょう?」と4さんに聞くと、
「みんなで(木から飛ぶ)ゲームをした。」との回答。
あの謎のゲームがここでもう一度物語に登場してきます。
「ジャンプするのが面白そうなので、
せっかく人が集まったのでみんなにもやらせてみようと思った。」とのことで、
1度出て来た設定をここで再度物語とつなげる流れが出来ました。
こういった回収のリレーが発生するのは、場が柔軟な雰囲気になってきた兆候にも見えます。

さらに5さんに
「するとどうなりました?」と続けると、
「喜んでキャーキャー盛り上がった」との回答。
ゲームがそんなに楽しかったのかな?と僕は思っていましたが、5さんの心のうちは、
「噴水に飛ぶゲームということで、みんな濡れて寒いのでは?と考え、
せめて騒いで暖ればいいのでは?と考えた」ということでした。
なるほど単純な回答に見えて、その裏には5さんのささやかな思いやりがあったようです。

さらにどんどん丸投げを続けてゆきます。
「盛り上がると、どんな事がおこりましたか?」と6さんに聞くと、
「ゲームで1等になった人が大きなプレゼント、
2等になった人が中くらいのプレゼントがもらえた。」との回答。
また4さんとおなじく、以前に出た設定を回収する流れですが、
少し異なるのは、この「プレゼント」の発案したのは6さん自身だということ。
6さん曰くプレゼントを賞品にすれば、あまった物も報われる。とのこと。
まさに設定の自己リサイクル。
この使われなかった設定を自分自身で回収する流れ。
最後のタイトルを決めるときに、忘れ去られていた自分の設定を入れ込んでくるという
パターンもあったりします。

1周目と同じく、またここでプレゼントにフォーカスしてゆく流れが出来てきました。
「では、2等のプレゼントって何だったんですか?」と7さんに聞くと、
「宝くじだった。」とのこと。
なんとなくファンタジックな流れに、いきなり現金の匂いがしてきたからか、
会場からは笑いが漏れます。
「1枚ですか?たくさんですか?」とさらに聞くと、
「箱に一杯」ということで、大量の宝くじが現れました。
7さん曰く「朝に宝くじの話をしていたので」と、
ここでも前回の「クリスマス」、「30人」同様、
最近見聞きした事や、体験をそのまま物語に応用しています。
司会をずっとやっていて、あまりこのような事は想像していなかったのですが、
確かにまっさらな状態で何かを想像するのは中々に難しい部分があるので、
案外いままも、こういった流れは多かったのでは無いかと思います。

さらに続けてプレゼントの中身を聞いてゆきます。
「1等は何だったんですか?」と8さんに聞くと、
1周目と同じくまた少し考えた後、「ハワイ旅行」との回答。
8さん曰く「ハワイに行きたかった」との事ですが、
実は、8さんは1周目も小さいプレゼントの中身について聞かれ、
「面白い物を言わなくては」と長考し悩んでいましたが、
ここでは自分の行きたい場所が素直に出て来ているようで、
2周目にして少し気持ちがほぐれて来た部分があったのかもしれません。

1等のプレゼントが明らかになったので、
「その1等は誰がもらったんですか?」と9さんに続けてみます。
9さんからは「その場の人数分チケットがあった。」と大変慈悲深い回答が。
「ハワイ旅行と言えば、1組とか2組しか当たらないイメージなので、
クリスマスでみんなで幸せになれるように。という配慮があったらしく、
最初の設定の「クリスマス」の持つ多幸感がここでも影響を及ぼしています。

さて長く続けて来た物語もそろそろ終わり。
10さんに「そしてどうなりましたか?」と聞くと、
「みんなバラバラでハワイに行った」との回答。
せっかくみんなでもらったチケット、なぜあえてバラバラなのかというと、
夢のある様な事が思い浮かばなくて、
それぞれ家族とか事情があるし、個人個人で行った方が良いのではと思った。
だそうで、ある意味個人をより尊重するという配慮がある発想だったようです。

そして最後、
オチを11さんに、「そして最後どうなりましたか?」と聞くと、
「実はこの話は、登場した母子の子どもが見た夢だった」と夢オチで締めてもらいました。
「物語で登場したいろんな楽しい事が、ファンタジーのまま終わりたい。」ということで、
全員の想像を破壌しない形で活かすため、「夢」という設定を敷いた思いがあったようです。
さらにその後、タイトルを決める中で、
1さんより、「みんなの夢」という題名が出され、満場一致で採用されました。



というわけで11人の参加者を2周し、所要時間10分程度をかけてこの物語が完結しました。
印象としては、やはり全員が普段から何らかの接触がある参加者と作っただけあって、
そこまで破壊的な内容がほぼ登場せず、割合安定した流れが続いたという感じでしょうか。

「いちまいばなし」では毎回参加者の中に、
その場で初めて出会った「他者」がいる場合が多く、
お互いの意向を汲み合う順接、明確化等の「安定」した流れと、
流れに逆らってでも自分の意見を通したり、あえて物語の展開に変化を起こすために行う
逆接、破壊等の「不安定」な流れを交互に繰り返すという傾向があるのですが、

今回の話には、逆接や破壊等の流れがほぼ無いにも関わらず、
物語には不可解な要素がたくさん現れているという特徴があります。
このような状況の原因にはそれぞれの参加者が、
他の参加者の発言や想像をより尊重しようとする「配慮」の心にあると私は思います。

今回の参加者は、誰もが前の参加者の意見を最後まで一度も否定する事無く、
より発展させる形でリレーしてゆこうという意識があるようでした。
明らかにされないプレゼントの送り主、参加者全員分あるハワイのチケット、
そして最後の夢オチは等は、まさにその「配慮」の結果であり、
全ての想像を破壌させずに、幸せな形で完結させるためのバイアスが大きく働いています。
プレゼントについて、「より面白い物を」と8さんが長く悩んでしまった原因も、
ここにあるように思います。

しかし、その「配慮」とは、
所詮自己の中に想定した他者へ対しての思いやりでしかありません。
時にその「配慮」が他者との間に齟齬を生み、予想しない展開を生み出します。
前回の記事に書いた「半分に切られた木」が登場する部分での3さんの
「木のイメージが湧いてこなかったので、切ってしまえば何の木か解りやすくなる
(いろんな木の可能性がある)と考えたから」
という思いも、他者の想像力をより広げるための発想が妙な登場物を生んでいたり、

同じく9さんの「いままで誰も見た事もやった事も無いゲーム」という発言の裏にあった、
みんなで新たな発想をより広げられる様に、『誰も見た事の無い』と言った」という思いも、
次の10さんにとっては発言のハードルをかなり上げられてしまう結果になったようですが、
ここは10さんが悩んだ末に、「切られた木から、噴水にジャンプするゲーム」という
妙案が発想され、9さんの「配慮」に巧く答えた形になっています。

そしてクライマックスで、参加者全員分チケットがあるのに、
「みんなばらばらでゆくハワイ旅行」という状況も、
それぞれ家族とか事情があるし、個人個人で行った方が良いのではと思った。
という、個々の状況をより尊重しようとした10さんなりの「配慮」が、
流れからは拍子抜けする様な展開を生んでいます。
このように、今回の物語の特徴的な部分には少なからず、
この配慮の行き違いが関与している様に思います。

「いちまいばなし」でいかに面白い物語を作っていくかという部分には、
物語の制作過程で、どれだけ参加者の欲望や、性、業といった物に
迫れるのかということがポイントになってきます。
それぞれの素の意思、素の想像力が出会い、その相容れなさが物語の中で瞬く時、
それまで個人の想像力では到達し得なかった想像の世界への扉が開くのです。
「配慮」というのは、他者への思いやりの表れの様にも見えますが、
裏を返せば自己の「こうあって欲しい」という欲望の現れでもあります。
今回は、逆接のような他者の意向を否定する流れは一切なく、
表面的には、全ての意見を尊重してゆくような制作過程でありましたが、
全編を通して完全な安定の物語に終始する事は無く、
参加者同士の「配慮」という名の欲や業がせめぎあうことで、
この面白い物語を生み出したのだと思います。

初めて参加者の心の内情をしれた今回の「いちまいばなし」ワークショップ。
新たな発見を新鮮な感覚で受け取る事が出来ました。
こういった、物語を作った想像力を読み解いてゆくワークは、
今後もぜひいろんな所で行ってゆきたいと思っています。

このワーク後のトークでも少し話をしましたが、
「いちまいばなし」を続けて行く上で強く感じるのが、
「人と人が解り合う事などあり得ないのではないか」という思いです。
何度やっても、物語は一つにまとまらないし、
誰が何を考えているかなど、話を聞いたからといって必ずしも明らかになる訳ではありません。
僕は、他者を理解する目的で「いちまいばなし」を行っている訳ではありません。
何気なく過ごしていると、他者と分かち合う事などさも簡単な様に思えてしまう世の中で、
むしろ「他者と解り合えない事の確認」の為にこの活動を行っている気さえしています。
その前提を受け止めた上で、
自分が今どうやってその状況に向き合い得るのかという現状把握と、
新たな向き合い方の試行錯誤をを行う場として、「いちまいばなし」を行っています。
『みんなの思いを一つに』を目指す訳でもなく、
『みんな違ってみんないい』で終わってしまう物でもなく、
「解り合えない事」に対しての、「理解」でもなく、単純な「肯定」でもない、
新たな向き合い方がこの活動によって生まれればと考えています。

それでは また
佐藤悠web

2013年11月26日火曜日

12月の出演情報


本日連投になりますが、今後の予定について少しお知らせ。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

11月30日(土)

【お笑いスカイツリーライブ
スカイツリーの間近で見られるお笑いライブで「いちまいばなし」を行います。
団地の中にある公民館をステージに、週に4回行っているライブで、
最近月に何回か顔を出させてもらっています。
とりあえず「いちまいばなし」やってみたいな〜って方におすすめです。
浅草観光の合間にもぜひ!コスパ高し!!

時間:14:00〜 15:30〜 17:00〜 の各30分公演になっています。
場所: 押上2丁目会館 (MAPここ)
   ※東武伊勢崎線 とうきょうスカイツリー駅 東口から徒歩30秒!
    開演30分前に芸人さん達がスカイツリー前で呼び込みしています。
料金:ネタを見て頂いてから決めてもらうシステムです。


12月1日(日)

第7回 サスガ☆カミスガ
茨城県北部上菅谷駅を中心に行われている「カスミガプロジェクト」という活動の中の
イベントに「いちまいばなし」で参加します。
出演するのは、「軽トラ寄席・かみすが家笑店街」というプログラムなのですが、
かなり大きなイベントで、プログラムは他にも

★ちびっこ商店街
★熱いバトルが繰り広げられる!
・三輪車レース
・キャタピラレース
・台車でGO!
★みんなで参加しよう!
・フラフープ回し競争
・走りなわとび競争
・ほのぼの カミスガ☆玉入れ
★聖地!スポーツ鬼ごっこ開催!
★力自慢集まれ!カミスガ☆腕相撲マシーン
★SING!カミスガ☆トラックステージライブ
★DANCE!カミスガ☆キッズダンス甲子園
★ここは市場?!花せり
★青soraヨガ
★今回は何かが違う!?「コインをゲットだ! カミスガ☆RPG」
★かわいくって大好評!戦豆の猿まわし
★登場!小型カブトムシ型乗り物「ヘラクレスA-1」体験乗車
★大人気!かわいいポニーに乗ろう!
★フリーラインスケート試乗体験&デモンストレーション 
★カミスガ名物!トンボ焼~中の具は那珂の具で~
★カミスガ☆お笑いスター誕生!
★軽トラ寄席・かみすが家笑店街

と盛りだくさん。週末、茨城北部に小旅行はいかが?


時間:寄席は10:30〜 13:30〜の2回公演(イベント全体は10時〜16時)
 *他の芸人さんとの兼ね合いがあるので、具体的に何時が僕の出番になるのかは当日にならないと解りません
場所:上菅谷駅前 宮の池公園通りと宮の池公園 (MAPこちら)
料金:無料
WEB:第7回 サスガ☆カミスガ


12月7日(日)

マリキータ 子ども専門•造形絵画教室 「いちまいばなし」ワークショップ
東京南青山にある造形絵画教室で、小学生を主な対象とした
「いちまいばなし」と「えほんのはた」のワークショップを行います。
久しぶりの「えほんのはた」制作、胸が高鳴ります。

詳細:マリキータweb
   「えほんのはた」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

年末もどうぞよろしく。
佐藤悠web

カウンセリングと「いちまいばなし」その2

さて、前回に引き続き
カウンセリングの学校で行った「いちまいばなし」についてのお話です。
今回は物語を作るその裏側に、参加者のどんな心のやりとりがあったのかを
聞いていったインタビューの模様をお伝えします。
今回は割と玄人向けの内容かもしれません。
まだ「いちまいばなし」あんまり知らないよ。。という方は
以下のページを見てもらうと良いかもです。





*(注)写真はイメージです。
まずは物語のおさらい。こんな話が出来ました。




「みんなの夢」
2013年11月23日

公園でクリスマスが行われていました。
公園には噴水と、切られてしまって半分になった大きな木がありました。
その木から、別の木にイルミネーションが飾られていました。
公園にはお母さんと子どもがいました。
そこにプレゼントが大、中、小とありました。
意外と小のプレゼントが良さそうで、
開けてみるとゲームが入っていました。
それは今まで誰も見た事もやった事も無いゲームで、
切られた木から、噴水まで飛べるかというゲームでした。
プレゼントの送り主は解りませんでした。
もう少し人が来てほしいなと思って、
ラジカセでクリスマスソングを流すと、
人が30人程集まってきて、
みんなで木から噴水に飛ぶゲームをやって、とても盛り上がりました。
ゲームで1等になった人が大きなプレゼント、
2等になった人が中くらいのプレゼントをもらいました。
2等の中くらいのプレゼントは、箱にいっぱい入った宝くじでした。
1等の大きいプレゼントはハワイ旅行で、その場にいた全員分チケットがあったので、
みんなバラバラでハワイへ行きました。
そして、これは全て最初にいた親子の子どもの見た夢でした。


この「いちまいばなし」は11人の参加者を2周して作られました。
ここから便宜上、それぞれの参加者を1さん〜11さんと名付けます。
また、それぞれの発話について、
司会の問いかけ問いかけに対する参加者の発言発言の動機やイメージ
という3色で表してゆきたいと思います。

まず、いつもの様に物語のお題、最初に登場する物を募集しました。
毎回ここで沈黙が起こる事が多いのですが、
さほど間が開く事なく、オチ担当11さんから「クリスマス」というお題が出ました。
こういった季節物がお題に出てくる事は「いちまいばなし」でままあるのですが、
聞いてみると11さんは、
最近フィンランドに行ってたっぷりクリスマス気分を味わってきたので
このワードが出て来たそうです。季節物と思いきや、実体験からの引用だったようです。

さて、ここからが物語づくりの本番。
司会の僕は「『クリスマス』から始まる『いちまいばなし』始まり、始まり〜」といって
拍子木を打ち、1さんから順番に物語の展開を参加者に問いかけてゆきます。

「クリスマス」というイベント系のワードが出て来たので、
僕はまず「どこで行われているクリスマス?」という場所について1さんに問いかけました。
そこで1さんからは「公園で」という回答。
その後のインタビューで1さんは
「人が集まりそうな場所を想像した。公園か広場で迷った。と言っていました。
「クリスマス」というイメージを素直に受けた想像が働いています。

「公園」という場所がでてきたので、
「どんな公園?何かある公園?」と、もう少し状況を明確にする質問を2さんにしました。
2さんからは「噴水がある公園」という回答。
「公園と言ったら噴水かな?というイメージだった。」という、
ここでも前の人のイメージをそのまま受ける形のリレーが続きます。

もう少し公園の様子を見てみたかったので、
「他に何かありますか?」と聞いてみると、
3さんから「木があります」との回答。
「形を絵に描きたいのですが、どんな木ですかね?」とさらに3さんにつっこむと、
「真ん中くらいで切られてしまった木」という何とも不可解な木が出てきました。
どういうイメージだったのか聞いてみると、
「木のイメージが湧いてこなかったので、切ってしまえば何の木か解りやすくなる
(いろんな木の可能性がある)と考えたから」とのこと。
何の木か解りやすくするために、逆に木を切ってしまうというのが面白いですね。
今まであまり無いパターンの発想法です。

さて、少し変な物が登場して来たので、
僕はこの辺りで話がおかしな方向に動いてくるのかな?と予想し始めました。
さらにこの公園の様子が知りたくなったので、
「他に何かありますかね?」と4さんに聞いてみると、
「イルミネーションが木の間にかかっています」との回答が。
「クリスマスと言ったらイルミネーションというイメージだった」という事で、
へんてこな木はスルーされ、前提であるクリスマスの状況に立ち返る流れになってきます。

「クリスマス」「公園」「噴水」「切られた木」「イルミネーション」
とだいたい情景が整って来たので、ここで物語の登場人物を出したいと思い、
「この公園には誰かいるんですか?」と5さんに聞いていると、
「お母さんと子どもがいます。」とのこと。
5さんによると、「誰か1人だと寂しい、でもアベックではないと思ったから。」だそう。
ここでも、「イルミネーション」同様
「母と子」というクリスマスのイメージをより強固にするようなワードが続き、
3さんの出した「切られた木」の違和感が完全に払拭された感がありました。

さて、登場人物は出てきましたが、クリスマスというにはちょっとにぎやかさに欠ける状況。
その辺を6さんに投げかけてみました。
「ちょっと寂しげなクリスマスですが、こんな感じで大丈夫でしょうか?」
そこで6さんは「プレゼントがある。大、中、小。」と返してくれました。
「クリスマスと言ったらプレゼント。
開けた楽しみや、期待を持たせるために3種類にしてみた」とのこと。
切り株に続き、思わせぶりなアイテムが再び登場してきます。

また物語が動きそうなアイテムが出て来たので、
ここはこのプレゼントに流れをフォーカスさせて行きました。
「この3種類というのには、何か意図があるんでしょうか?」と7さんに聞いてみると、
「小さい物に良い物が入っている。」との回答。
「昔話を思い出し、小さい物程良いイメージがした。」とのこと。
差異のある贈り物から、「舌切り雀」とかを想像したのでしょうか?

7さんの回答をふまえ、
3つ中でもさらに一番小さいプレゼントに物語をフォーカスさせて行きます。
「では、その小さいプレゼントには何が入っていたのでしょうか?」と8さんに聞いてみると、
ここで8さん少し長考の末「ゲームが入っていた。」と回答。
その悩んだ部分も含めて聞いてみると、
「何か面白い事を言った方が良いのかな?と思って考え込んでしまった。
最終的には、親子だったのでゲームかなとイメージした。」ということそう。
そうなんです。この「おもしろい事言わないと!」という、
欲求、焦燥、羞恥心、等々が参加者を悩ませる根源であります。
「ぜひ面白い話を作って下さいね!」と僕が言わずとも、
自然にこの状況に陥ってしまうのが、人間の業深きところであり、
また「いちまいばなし」が面白くなるエッセンスでもあります。

さて、その悩みの中で生まれたアンサーにさらに迫って行きます。
9さんに「それはどんなゲームだったんですか?」と聞いてみると、
「今まで、誰も見た事もやった事も無いゲーム」というかなり抽象的な回答が。
ちょっと想像しにくいものへの言及が回って来た場合、あえて具体的な回答をせずに、
こういった抽象表現や形容詞で乗り切るという、
「いちまいばなし」の受け流しテクニックがあるのですが、はたして9さんの意図は、
「ゲームをしないので、イメージが浮かんでこなかった。
みんなで新たな発想をより広げられる様に、『誰も見た事の無い』と言った」とのこと。
なるほど参加者の発想を広げるための抽象化作戦だったようなんですが、
逆にこれは10さんの回答のハードルを上げてしまったようです。

そのまま10さんに「誰も見た事の無いゲームって、何ですかね?」と聞いてみると、
少し考えて、「切られた木から、噴水にジャンプするゲーム」という衝撃の回答が。
会場からは大きな笑い声が噴出します。
8さんからの流れでイメージできるWiiとかDSとかゲーム機器、
もしくはボードゲーム、カードゲーム等の予想を大きく飛び越え、
謎の遊びがここで誕生しました。
10さん曰く「8さんのゲームが出て来た時点で、何のゲーム?と聞かれたらUNOと
答えようと思っていたけれど、『今までに無い』ということだったので、
ふと絵を見たら、切り株みたいな木があったので、飛んだほうがいいのかな?と思って。」
とのこと。
「切り株があったら飛んだ方が良い」というのは10さん独特の考え方な気がしますが、
ある意味、予想と違うものがいきなり来た「焦り」や、
もうなんでもいいやという「あきらめ」がこの面白い回答を生んだのだと思います。
ここで、この物語で初めて「普段だったら絶対たどり着かないイメージ」が出てきましたが、
こういった新たな発想を生み出すためには、
「面白い事を考えよう!」「新しい事を発想しよう!」という前向きで健全な気持ちだけでは
なかなかうまく行かない事もあり、どちらかというと、
上記の「焦燥感」や「あきらめ」の様な要素が重要なのではないかと思います。

ともかく、ここで物語は今日一番の盛り上がりを迎えました。
ここであえて角度を変え、11さんには
「そもそもこのプレゼントは誰からの物だったんですか?」と聞いてみました。
僕としては、10さんの珍回答で、場が暖まって発想の箍(たが)も
少し緩んで来たかなと予想して、ここで送り主についても変な回答が出てくれば、
親子との関係性について面白く膨らませられるかな?という思惑が会ったのですが、
11さんからは「それは解らなかった。」とかわされてしまいました。
意図としては、
「サンタさんと言うとあまりにベタ。かといってお母さん、お父さんという
実在の人物にしてしまうより、クリスマスのファンタジックなイメージを壊さないよう
あえて誰か明らかにしない方が良いと思った。」という事でした。
3さんの「切られた木」、9さんの「誰も見た事の無い」に続く、
他の人のイメージのふくらみを阻害しないよう、配慮した発想法ですね。
やはりこの辺りは、他者の心に真摯に向き合おうとする
カウンセラーの気質がでているような気がします。


さて、ここでやっと参加者全員を一周して折り返し。
参加者皆さんがある程度の面識があるという事と、
「クリスマス」という多幸感のあるワード始まりということで、
序盤からかなり安定した流れで始まりました。
中盤で謎の遊びが出て来た事と、1周目を終えた事で、
2周目はもう少しざっくばらんな物語になってきます。
いざ書きお起こしてみると長編になって来たので、今回はここまで!

次回の更新で完結編です!
佐藤悠web


2013年11月25日月曜日

カウンセリングと「いちまいばなし」

ご無沙汰です。
以前このブログでも少し紹介したカウンセラーを養成する学校で
「いちまいばなし」のワークショップとトークを行ってきました。

「いちまいばなし」もカウンセリングも、
人の心にどう向き合うのかという部分が根幹にある物なので、
そこをリンクさせながら、リレーショナルアートや、アートプロジェクト等、
関係性に重きを置く表現活動についての紹介も織り交ぜてのトークになりました。
といっても、カウンセリングの事について僕は初心者なので、
今回は「心を知る技術」という1冊の本を参考に、カウンセリングの概念や言葉を学びながら、
トークを組み立てて行きました。

本によれば、カウンセリングの段階として受容、気付き、自立という3つの段階があるそうで、
1つ1つの段階を簡潔に説明すると、

受容
=クライアントが自分の悩みや欲求に向き合い、そのものを知る事。

気付き
=今までとらわれていた物に気付く。悩みの根源を知る。

自立
=新たな自分になる。新たな価値を見いだす。自分の生き方を自分で決定できるようになる。

プロセスとしては、この3段階の経過を経て、
クライアントが悩んでいる自分自身を知った上で、
どのような生き方が選択できるのかという事を、
自身で決定できる状態になる事がカウンセリングの流れになります。
重要なのは、
悩んでいる事例そのものを解決する事がカウンセラーの仕事ではないという部分で、
例えば、登校拒否の息子について悩んでいるクライアントがいたときに、
息子さんを学校に行かせるという事がカウンセラーの仕事ではありません。
まずはそもそも、なぜそのことでクライアントが悩んでしまうのか
という事を共に解きほぐしていきます。
登校拒否で悩んでしまうという事は、
もしかしたらクライアント自身が子どもの生き方への理想が強くあるからなのかもしれません。
クライアント自身が自分の悩める状態について自覚した上で、<受容>
次はその悩みを発生させる
「こうでなければならない(子どもはきちんと学校に行かなければ不幸になる等)」
という自分の中の常識が、
本当に絶対的であるべきものなのかという事に迫って行きます。<気付き>
そして、今の状況を自覚した上で、
「こんな生き方もアリかもしれない
(いま彼にとって学校に行く事が必要なのか?もう少し待つのも良いかも。等)」
とクライアント自身が新たな選択肢を発想し、その生き方を選択できる状態になる。<自立>
この状態にたどり着く事をサポートするのがカウンセラーの役割です。
あくまでサポートというところが重要です。
カウンセラーがクライアントの生き方そのものを決定したり、
その選択肢をたくさん知っている訳ではありません。

上記で説明したこのような「受容」から「自立」への流れは、
「いちまいばなし」の中で、それぞれの参加者が、
自分と全く異なる他者のイメージを受け止めた上で、
「今まで考えた事無かったけど、こんな展開や世界観も面白いかも」と、
新しい価値を発想し、物語をさらに展開してゆくという部分と共通する物があります。
また、カウンセラーの立場と同様に、「いちまいばなし」の司会の役割をする僕も、
物語の結末や面白さを、参加者自身が決定してゆく事をサポートする役割であり、
けして物語の結末や面白さを知っている訳ではないという部分が似ているなと思いました。

さて、そんな「いちまいばなし」と共通点の多いカウンセリングなんですが、
今回このワークショップで作った物語は、こんな物語になりました。


「みんなの夢」
2013年11月23日

公園でクリスマスが行われていました。
公園には噴水と、切られてしまって半分になった大きな木がありました。
その木から、別の木にイルミネーションが飾られていました。
公園にはお母さんと子どもがいました。
そこにプレゼントが大、中、小とありました。
意外と小のプレゼントが良さそうで、
開けてみるとゲームが入っていました。
それは今まで誰も見た事もやった事も無いゲームで、
切られた木から、噴水まで飛べるかというゲームでした。
プレゼントの送り主は解りませんでした。
もう少し人が来てほしいなと思って、
ラジカセでクリスマスソングを流すと、
人が30人程集まってきて、
みんなで木から噴水に飛ぶゲームをやって、とても盛り上がりました。
ゲームで1等になった人が大きなプレゼント、
2等になった人が中くらいのプレゼントをもらいました。
2等の中くらいのプレゼントは、箱にいっぱい入った宝くじでした。
1等の大きいプレゼントはハワイ旅行で、その場にいた全員分チケットがあったので、
みんなバラバラでハワイへ行きました。
そして、これは全て最初にいた親子の子どもの見た夢でした。

という感じで、さすが志を同じくする受講生が集まったとあって、
かなり安定性が強く、
互いの意向を汲み合いながらの優しい気持ちがあふれる物語づくりになったかなと思います。
ただし、そんな状況でも一筋縄では行かないのが「いちまいばなし」の面白い所。
きちんと変な話に仕上がりました。

今回は新たな試みとして、この物語を作った後に、
なぜその発想が出て来たのか?という所を参加者にインタビューし、
参加者の心のやり取りをあらわにするワークも行いました。
様々な思いやりが折り重なりながら、結局どこか変な物語に行き着いてしまうという、
その内情があらわになったところは、とても面白かったです。

そんな新たなワークの様子は、満を持して次回の更新でお伝えします。
それではまた次回!

2013年11月20日水曜日

「いちまいばなし」アーカイブ

半年くらい更新していなかったアーカイブをすこーしだけ更新しました。
今回は今年4月に黄金町で行ったワンデーバザールで作った物語と、
ゴールデンウィークに代々木公園で作った物語を中心に乗せました。

「いちまいばなし」アーカイブ

ちょっと見づらいですが、右上の方にある「次のページ」をクリックすると、
さらに過去の物語も閲覧する事が出来ます。
現在約180話を掲載中。

基本的に支離滅裂、荒唐無稽なお話が多く、
こちらの行間を読む力というか、無理矢理想像する力が多分に必要となりますので、
体調の悪い方、頭を休ませたい方にはおすすめしません。
また、文章の整合性を考えたり、きちんと読み込むタイプの人は、
1時間に10分程度の休憩を挟みながら読まれると良いでしょう。

ではでは。

2013年11月11日月曜日

「やけくそラジオ」&今月の出演

え〜全国546人のやけくそファンの皆様、長らくお待たせしました。
あの「やけくそさんぽ」が4ヶ月ぶりに帰ってきました!
この長い間にいろいろ変わった事もあったみたいで、
今回はなぜかラジオ仕様での公開となります。


そして、遅くなってしまいましたが、今月から来月頭にかけての出演情報です。


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11月16日
【第4回「東京アンデパンダン展」
オープニングパーティーの中での上演アンデパンダンに「いちまいばなし」で出演します。

時間:17時〜 「いちまいばなし」は17時10分より
場所:EARTH+GALLERY(アースプラスギャラリー)東京都江東区木場  3-18-17  1F
参加無料


11月24日
【湯宴ランド小岩 「お笑い湯宴ライブ」】
温泉施設の中のステージで芸人さんに混じって「いちまいばなし」を披露します。

時間:19時〜
場所:ファミリー湯宴ランド小岩 東京都江戸川区南小岩8-11-7

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こんごともドゾよろしく!

2013年11月4日月曜日

「いちまいばなし」in 守谷フレンドパーク

昨日は守谷フレンドパークという所で「いちまいばなし」を披露してきました。
よく行くホームセンター、ジョイフル本田の近くにあるこの場所。
小学校?幼稚園?公民館?か何かの、建物をリノベーションし、
素敵なたたずまいをした場所です。


中はこんな感じ。


ライブを行うこのホールの他にもいろいろ部屋があって、展覧会等も行っているそうです。
ステージの上には、今日のために用意されたご飯と飲み物。
車だったのでお酒は楽しめませんでしたが、グリーンカレーが美味でした。


最初のライブは外から。
出演者だけじゃなくて、楽器を持っている人はみんな参加の大セッションに。
ジャンベ、フルート、ベース、ギター、フリースタイルRAPなんでもありの大合奏。


日が落ちるとたき火がともります。
焼き芋もやってました。

さて、そんな中で作った「いちまいばなし」はこちら。↓


「ヒッピー夫婦の絆」
2013年11月3日
茨城県守谷市守谷フレンドパーク

何も無い丘の上にテント(ティピ)がありました。
テントの中には夫婦がいました。
奥さんは銀座のクラブを「方言がきつい」という理由でリストラされた後で、
旦那さんは毎日パチンコへ行っていました。
テントの中で2人はたき火をして暖まりました。
でも一酸化炭素中毒になりそうだったので、
酸素ボンベを吸いながらたき火にあたりました。
あたっていると足が燃えてしまったので、川に行く事にしました。
川に行くと、流れがものすごく早かったので、
2人は溺れて流されてしまいました。
すると、釣り人が垂らしていた針に2人は引っかかって助かりました。
釣り人は66歳の普通のおじさんでした。
そこで、みんなで飲みに行く事にしました。
銀座の奥さんが働いていたクラブに行って飲んでいると、
おじさんが奥さんに惚れてしまいました。
旦那さんは気付いていません。
おじさんと奥さんはメールで恋の駆け引きをしています。
2人で朝になったら築地で朝食を食べる約束をしました。
奥さんは旦那さんに1000円渡してパチンコに行ってもらう事にしました。
旦那さんは喜んでパチンコに行きました。
おじさんと奥さんは、とりあえず高尾山に行きました。
そしてまたたき火をしていると、大規模な山火事になってしまいました。
そこで、奥さんがパチンコへ行った旦那さんに連絡すると、
旦那さんは大金を持って駆けつけ、お金を当たりにバラ撒きました。
すると、金の亡者が集まってきました。
奥さんは、すぐに助けに来てくれた旦那さんを見直し、
現場を見てやっぱりお金じゃないんだわと思い、
旦那さんと2人でテントに戻り、幸せな一生を送りました。
おしまい。


今回はとてもゆったりした空間だったので、
いつもよりだいぶゆったりした進行で出来た気がします。
僕の前に前述のセッションがあった事もあり、
お客さんの方もだいぶ気持ちがほぐされた状態で入れたのではないかなと思います。

久しぶりに登場人物に恋が芽生える「恋愛系」の物語が出来ました。
今回の様に参加者が大人ばかりの時は、特にこのような恋愛の話は盛り上がります。
「いちまいばなし」では、登場人物が普段の状態ではない状態、
いわゆる「変成意識状態」になると物語が大きく動き、
参加者も乗ってくるという傾向があります。
そのような状態を引き起こすトリガーとしては、
「お祭り」「飲酒」「対決、競争」などの状況ありますが、
「恋愛(結婚)」もその一つで、今回も前半あまりダイナミズムのない流れから、
おじさんが奥さんに惚れた所で物語が大きく動き、怒濤のクライマックスに突入します。
なので、上記のキーワードが出て来たときは、
前のめりでその状況を参加者にどんどん聞いて行くと、
物語が面白くなるきっかけになる可能性大です。
今回結局おじさんの恋は成就しませんでしたが、
そう言えばこの話の様に「浮気」の要素が出てくる話はこれまで無かったかもしれません。
後で調べてみてそうだったら、この話を「浮気話(未遂)」第1号に認定しておきましょう。



タップダンスに、弾き語りにライブはまだまだこの後も続きました。
また、行きたく思わせるとてもよい場所でした。
取手在住者は、ぜひ一度チェックしてみて下さい。

守谷フレンドパーク

ではでは。

2013年11月3日日曜日

東京インプログレス「クロージングイベント」



10月末に行われた
東京インプログレス「クロージングイベント」の中で
「いちまいばなし」を披露させて頂きました。
(実演写真がなくてすみません。)



当日は台風27号が過ぎ去った後で、かなりの晴天。
芝生の上、少し風の強い中で行われた水辺の「いちまいばなし」でした。
15人程の参加者と、プロジェクト主催の川俣さんも参加してもらい、
また、バックには表現(hyogen)の演奏、
というなかなか恵まれた環境の中でやらせてもらいました。

出来た物語はこんなのでした。


「パン屋のマラソン大会」
2013年10月27日
東京都豊洲

川辺でマラソン大会が行われていました。
ゴールは駅前でした。
マラソン大会の主催はパン屋さんでした。
参加者は商店街の皆さんでした。
一等になったら、パン100年分がもらえました。
これからいよいよスタートです。
スタートには楽器隊が来て演奏するセレモニーがありました。
スタートの合図が 「よーいパン!」 と鳴ると、
おじいちゃんが一人勢い良く飛び出しました。
でも遅くて、魚屋さんに抜かれてしまいました。
中盤コースにパンの山が現れ、みんな食べながら進みました。
ここでは朝から働いてお腹がすいているおにぎり屋さんがトップでした。
でも、その後を肉屋さんが抜いて行きました。
次に見えて来たのは、吊るされたカレーパンでした。
ここは金物屋さんが、ハサミを使ってトップになりました。
ゴール前では、川でクルージングをしている人がすごく応援してくれていました。
そんな中、魚屋さんが一番にゴールしました。
すると、パン屋さんが賞品のパンを全部持ってかえってしまいました。
おしまい。


奇しくもまたパンの話になってしまいました。
個人的な感想としては、
「クロージングイベント」という
1つの催しに意志を持って集まられた参加者ばかりだったので、
みなさんまとまりがあるというか、他者を柔軟に受け入れる受容体制がかなり整った状況での
「いちまいばなし」だったのではないかと思います。
マラソンという「競争」を軸に、場面が移ってゆくという構造の物語で、
大枠としては移動を主とする「ロードムービー系」の「いちまいばなし」に分類されます。
終盤に前半で出た、「川」設定や、「魚屋さん」が再登場してくるのが印象的ですが、
この様な一回出た物をもう一度物語に持って来てまとまりを持たせるような
「回収系」と呼ばれる手法は、ある程度現場の一体感が無いと起こりにくいので、
やはりまとまりのあるチームだったのではと思います。
ただ、チームの良好なまとまりがあると、物語の流れが健全な物になりすぎて、
「いちまいばなし」につきものの
「破壊」「混沌」「悪意」等の部分が抑圧される傾向にあります。
基本的に「いちまいばなし」は比率は違えど、
「秩序」(理性等)と「混沌」(本能、欲望等)
の両方の要素が繰り返して物語になってゆく傾向があります。
なので、全体的に流れがスムーズだったこの話の落ちが、
パン屋さんの不可解な行動で終わるのは、
その行き場を失った「混沌」の部分が表出した事の現れではないかと思います。
まあ、パン屋さんと魚屋さんの関係をちょっと心配してしまう様なおちでしたが…


さて、そんなこんなで「東京インプログレス」も終了。
これも含め10月はたくさんの催しに出させて頂きました。
11月もちょこちょこいろんな所に顔を出します。
近日スケジュールを載せるので、またご確認ください。
それでは。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
「いちまいばなし」 by 佐藤悠 is licensed under a Creative Commons 表示 - 非営利 - 継承 2.1 日本 License.