2015年8月17日月曜日

御噺屋in十日町 

あっという間に会期の半分が終わってしまいました。
これまで十日町では、400人以上と約70話のお話を作ってきました。
「いちまいばなし」とは?



先日の記事にも書きましたが、十日町では米つくりや雪、少子化、過疎化の物語が多く作られています。例えば、こんなおはなし。


「真秋の夜の夢」 
2015年8月9日 新潟県十日町市にて

あるところに米作りをしているおじいさんがいました。
田んぼの石ころをとるために、近所のおばあさんと作業をしていると恋が芽生え、
おじいさんは長い手紙を書いて、おばあさんを月見に誘いました。
おばあさんはお団子をつくりましたが、
その日は天気が悪かったので、おじいさんの頭で月見をしました。
今度は、おばあさんがおじいさんを紅葉デートに誘いました。
おじいさんは喜び、田んぼをがんばっていると、
どんどん体が鍛えられていき、モテるようになりました。
若い娘に興味を持つようになったおじいさんを見て、
おばあさんも化粧をするようになり、きれいになり、モテるようになりました。
すると村ができ、田んぼがなくなるほど人が増えてしまいましたとさ。


<以下掛け合いの様子>

お題:米作り

◆「あるところでコメ作りが行われていたらしいですけれども、どこで米作りが行われていたのですか?

◇「たんぼ。」

◆「誰がやっていたのですか?」

◇「ひっこしてきたおじいさん。」

◆「このまちに新しくやってきたおじいさんがコメ作り。コメ作りにはいろいろな段階がありますが、今はどういう段階?」

◇「田植え。」

◆「田植えはどんな感じ?」

◇「石ばっかりで苦労している。」

◆「なるほど、田んぼにいしがごろごろしている。田植えできる段階じゃないと、どうする?」

◇「人を呼んできて一緒に。」

◆「誰をよんできたらいい?」

◇「近所の人。」

◆「ひっこしたばっかりで知り合いがるんですかね?」

◇「できました。」

◆「誰ですか?」

◇「となりのおばあさん。」

◆「手が早いですね!もう女の人を捕まえて~ このあとどうなるの??」

◇「とりあえずみんなで石を掘りおこして一カ所にまとめる。」

◆「石をとりのぞいてどうする?」

◇「稲を植える。」

◆「すると、どんなことがおこる?」

◇「植えているうちにおばあさんと仲良くなる。」

◆「仲良くなって二人はどうなる?」

◇「おじいさんからおばあさんに手紙を書く。」

◆「ラブレターですかね?おばあさんに何を伝える?」

◇「まずは拝啓からはじまって、いつもお手伝いありがとうなどとぐだぐだ書いて、3枚目くらいから体どうですか?と心配しつつ、5枚目から~」

◆「これ自分の経験はいってます?」

*会場笑い

◇「5枚目に実はおばあさんあなたが気になるんだ、今度月見でもしませんか?と。」

◆「お月見デートだ!そんな手紙をもらって、おばあさんどうする?」

◇「だんごをつくる。」

◆「月見団子をこしらえて、どうする?」

*順番が来た小さい男の子が悩んでいる

◆「この恋の駆け引きが彼にどう伝わっているんですかね?」

*会場笑い 男の子沈黙

◆「腕組みシンキングタイムですね。ワンクッション置きましょうか。順番チェンジで次の方。」

◇「おばあさんの家に訪ねる。」

◆「おじいさんがおばあさんの家に行くと?」

◇(男の子)「その日は曇り空だった!」

*会場 男の子の答えに感心する

◆「あらちょっと、お月見にはあんまりよくない。どうしましょう?」

◇「とりあえず、おじいさんの頭でお月見をする。」

*会場笑い

◆「このお月見大丈夫?おばあさんの反応は?」

◇「大丈夫です!おばあさんは心が照らされる。」

◆「おじいさんのハゲ頭に照らされて、おばあちゃんはどうなっちゃうの?」

◇「おじいさんに好印象を持ったから、こんどはおばあさんから紅葉デートに誘う。」

◆「おじいさんはどうする?」

◇「誘われてうれしくなって、田んぼの世話をがんばる。」

◆「田んぼをがんばるとどうなる?」

◇「すごい体に・・・」

◆「おじいさんの体が鍛えられてムキムキに!どうなっちゃう?」

◇「おばあさんを捨てて、若い娘にはしる。」

◆「モテはじめて、若い娘に興味がでてきちゃった。大丈夫なんですか?おばあさん。」

◇「おばあさんはおめかししだす。」

◆「おばあさんが化粧をしてどうなる?」

◇「若返る。」

◆「歳を感じさせなくなるほどおばあさんの容姿が美しくなって、どうなっちゃう?」

*先ほどの男の子にまわる。沈黙

◆「男と女っていう感じの流れできて、それを彼に託すという鬼畜な流れですね~」

*男の子沈黙

◆「一回クッションで、男としての先輩に聞きましょう。」

*彼のお父さんにまわる

◇「おばあさんもモテはじめる。」

◆「おばあちゃんもモテちゃって、どうなっちゃう?」

*再び男の子へもどる。男の子沈黙。

◆「おじいちゃんモテモテ おばあちゃんモテモテ、さあどうなっちゃう?」

*男の子沈黙

◆「完全に男と女のラブゲームに巻き込まれ、彼大事故ですね~」

*会場笑い

◆「じゃあ、いったん次の方へ行って、オチがんばる?」

*男の子頷く?

◆「両方がモテちゃってたまらない。どうなっちゃう?」

◇「新しい村ができる。」

◆「新しい村ができて・・・最後どうなっちゃう?

◇(男の子)「田んぼがなくなった!!」

*会場笑い

◆「田んぼがなくなるほど家がたくさん建ってしまったと。農業より少子化対策をとったのですね。なるほど、めでたし、めでたし~」

文字起こし:噺屋よろこ

田んぼから恋が始まって燃え上がり、結局最後は人口増加で田んぼがなくなってしまうというお話でした。大人の恋の物語に巻き込まれた参加者の男の子が、流れの中でうまく彼なりの返しができるようになってゆくのが面白かったですね。

十日町ではたくさんの出会いがあって、御噺屋の事をもっと知りたい、自分でもやってみたいという方もちらほら現れました。(中には以前にこの活動を知って、自主的にやってらした方もいて驚きました。)

そんな中、御噺屋の門下生も新たに生まれています。3年前の黄金町でもそんな方がいて、今回2人目の門下生が出てきたので、これはちゃんと一門としての体裁を整えないとという事で、以下のような形で噺屋一門を立ち上げる事にしました。

門下生になると、実演音源の文字起こしを手伝ってもらったりしながら、「いちまいばなし」の実演の心得や、技法、類型などについて知ってもらいます。

(「いちまいばなし」の実演自体は商業的な目的以外であれば、だれでも自由に行ってもらって構いません。ある程度公の場で行う時は、「いちまいばなし」と「発案者の佐藤悠」という部分を明記してください。また、こんなおはなしができたよとメールなどで教えてもらえると嬉しいです。)

ちょっと興味あるよという方はこの記事のコメント欄に連絡をください。
では、また。


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「いちまいばなし」 by 佐藤悠 is licensed under a Creative Commons 表示 - 非営利 - 継承 2.1 日本 License.