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2013年12月9日月曜日

「いちまいばなし」&「えほんのはた」ワークショップ in マリキータ

先日ここでもお知らせした、
表参道にある子ども専門•造形絵画教室「マリキータ」で、
即興物語作り「いちまいばなし」と、
物語のヴィジュアルを布で再構成する「えほんのはた」のワークショップを
開催してきました!





思えば「えほんのはた」を制作するのは去年の黄金町以来、ほぼ1年ぶりくらい。
時がたつのは早いものです。

今回は、4歳から9歳までの6名の子どもたちを中心に、
スタッフの先生方や保護者の方も含めた11名で
「いちまいばなし」と「えほんのはた」を制作しました。

まだ「いちまいばなし」あんまり知らないよ。。という方は
以下のページを見てもらうと良いかもです。

集まった子達はそれぞれ知り合いや姉妹もいましたが、もちろん共同作業は初めて。
開始前から、何とも言えない緊張感が現場に立ち現れます。

実は面白い「いちまいばなし」を作るにはこの「緊張感」が必要不可欠。
気の知れた仲間同士でやる時よりも、
その場で会った他者を意識しながら想像したイメージの方が、
発言者の業や性を呼び覚まし、物語に生気が宿ります。

自己紹介をしてから、さっそく「いちまいばなし」を作ってゆきます。
いきなり人前で自分の意見を表明しなければならない状況を強いられるので、
最初はなかなか言葉が出てこない子もいたけれど、
順番が2週する頃には、このワークの面白さを掴んでくれたようで、
誰もが自分の考えた物語の展開を発言でき、笑い声も頻出する様になりました。

そんな中で出来た話は、こんな感じ。




「明日の夜の夢」
2013年12月7日 西麻布いきいきプラザ

明日の夜、人間が倒れていました。
大きな月が出て、小さな太陽が沈んでいました。
人間は島に倒れていて、とにかく周りには人がいなさそうでした。
寝ていたらいつの間にかそこに移動していたようで、
人間は起き上がって、食べ物を探し始めました。
海の中に潜ると、サメがいたので泳いで逃げ、別の島までたどり着きました。
また島に人は誰もいなかったので、人間は鳥に話しかけてみました。
鳥は今まで見た事の無い様な鳳凰の様な姿をしていました。
鳥は「天の道」に連れて行ってくれました。
人間が道をゆくと、出口があって月に着きました。
月には扉があって中に入ると、もとの世界に戻っていました。
ふと、後ろを見るとフライドチキンの箱が置いてありました。
それはあの鳥が用意してくれた物でした。
人間はフライドチキンを食べて、
「おいしいな~」と目を閉じると
全て夢でした。


参加者による文字起こしの別翻訳バージョン。絵も新たに描いてくれました。

どこからどこまでが夢で現実なのか解らないような物語で、タイトルの候補も、
「夢のまた夢の世界」「大変な夢」「夢の国」「果てしなく続く夢の世界」
と夢、夢、夢の夢づくし。
「いちまいばなし」最近夢オチ多いです。

場所がどんどん移り変わってゆく「ロードムービー系」の構造を軸に、
前半に出て来た月や、鳥等の登場物を
後半また再利用する「回収系」の動きもありつつ、
全体的に一つの大きな環となる様な物語。
僕の経験から行くと、上記の様な「回収系」の動きが見られると、
参加者の適度なまとまりや共有感が場に発生していると良い兆候だと思われます。

特徴的なのは、「鳳凰の様な鳥」+「天の道」という、
かなり思わせぶりな方法で月に行ったのに、
結局何もせずすぐもとの場所に戻ってくるという、肩すかし感。
これは非常に「いちまいばなし」らしい展開です。

物語の盛り上がりをどこに持ってゆくのかという事は、
人によって全く違っていたりするので、
その場で作ってゆくとこういう展開が起こってきます。

終盤唐突に現れるフライドチキンも同様で、
前後不覚の人間が目を覚ます所から物語が始まるという、
映画のオープニングさながらの導入から、
徐々に食べ物を探す事が目的になって行き、
サメに終われ、別の島まで行き、ついには月まで行っても見つからず、
食べ物登場の期待値を上げきっておきながら、
最後ふと振り向くとあっけなくあるという、この感じ。
好きです。

全体から見ると、わざわざ人間思わせぶりな遠周りをさせ、
その間にフライドチキンを買って来て元の場所で待っているという
「鳥」の姿が非常に面白いです。
お腹が空いている人間に何かを施す気持ちはあるのだけれど、
待たせて退屈にしない様にさせる気遣いからそんな事をしたのか?
「フライドチキン」という「鳳凰の様な姿」からはほど遠い品物に
箔をつけるための見栄から来る、ゴージャスな演出だったのか?
と想像をいろいろかき立てられました。


さて、今日はここから「えほんのはた」作りが始まります。
作った物語を元に、そのビジュアルを布を使って再構成してゆく作業です。
登場物がどんな形で、どんな色をしているのか?
それぞれの頭の中にあるバラバラのイメージを外に出し、
そのまま融合させて1つのビジュアルに起こしてゆきます。



それぞれが物語のどの場面を担当するか役割分担を決め、制作スタート。
まずは良さそうな布を探して来て、どうつくるか考えて行きます。



下書きから入る人もいれば…



いきなり形を切り出してゆく人もいます。



布の柄をそのまま利用するのもアリですね。



いろんな布を混ぜて使うのもいい感じ。



手を動かしていると、イメージはさらに膨らみ、
物語には出てこないけれど、そこにありそうな物がいろいろ出てきます。
サメだけしか出てこない海の中は、魚やクラゲでいっぱいになりました。



こちらは島に芝を丁寧に植えています。
結構大変そう。。。



なので、自分の担当が終わった人に手伝ってもらう事にしました。
コラボもアリです。




そんなこんなで1時間半程の製作期間を経て、「えほんのはた」が完成。
まずは、それぞれの部分から、見てゆきましょう。



こちらは物語の始まりと終わりの舞台になる「島」。
物語では「人間が倒れていた」「眠っていたらいつの間にかここにいた」
という事でしたが、絵にしてみると、
ちゃんと布団に枕までして実にお行儀よく寝ています。
作者に聞いてみると、『そもそも全部が夢の話で、実は現実では布団で寝ていた』
という解釈の元で制作したようです。なるほど。そう言う解釈もアリですね。

また、左上の方にはフライドチキンと、それを用意してくれた鳥の姿が。
物語ではチキン単品でしたが、やたらこの鳥は気が利くようで、
ここでは大きなポテトのサイドディッシュも付いています。



次は海で出会ったサメ。
青の布の下に黒い布を敷く事でサメのシルエットを目立たせ、
さらには怖そうなサメの雰囲気を演出しているそうで、なるほど効果的です。
▲の目と開いた口も、出会ったら逃げたくなるサメのイメージに合ってます。
ちなみにサメの左にいる白い人影は泳いで逃げている人です。

そして、海担当の女の子とそのお母さんが、
たくさんの魚と毛糸の波を使って、広大な海面を表してくれました。
特にお気に入りなのはこの画面右側にいるクラゲだそうで、
魚よりだいぶ手が込んでいます。



次は太陽。
物語の中では月との対比で登場するのみでしたが、
かなり手をかけて作ってくれたおかげで、「えほんのはた」の中では、
とても存在感のある物になりました。
同系色の色を重ねて使う事で、太陽のマーブル模様を表現しているのでしょうか。
こだわりの黒いドットはもちろん黒点を表しています。




サメから逃げた末にたどり着くもう一つの島。
一生懸命植えた芝のテクスチャーのおかげで、
最初の島と差が出ていていい感じです。
上部には謎の基地、左手には船が着ける様な砂浜も作ってくれました。

そして、キーキャラクターの「鳳凰の様な鳥」と「天の道」
細かい羽や、足首を切り出すのに苦労したようです。
オーガンジーの布を使って「天の道」の神秘的な感じもよく出ています。

芝を植えるのにかなり苦労していたので、
太陽を作った子とかなりの部分を共同作業で作りました。





最後は大きなお月様。
ラメ入りの白い布の上に、オーガンジーの布を重ね、
不思議な事が起こりそうな月の様子を表しました。
意図的なのか、偶然か、「天の道」と同じオーガンジーを使った事で、
世界観が繋がっている感じが出ていると思います。
通ると元の場所にもどってしまう不思議な「扉」は
たくさんの布を張り合わせて作りました。
右側のドクロはドアノブです。



そして、それぞれの制作部分が合わさると…





こんな画面になりました!
台紙の青い布の色が生きた、メリハリのある「えほんのはた」になったと思います。


「いちまいばなし」そして「えほんのはた」のワークショップでは、
即興の恊働制作を行ってゆく中で、
互いの異なる想像力をそれぞれの参加者が
どう受け止めて行くかがポイントになってきます。
それは、「みんな違ってみんな良い」という個性の全面的な肯定ではなく、
相容れない他者を意識した上で、
自身がその他者に対してどのようなスタンスを持ち得るのかという確認と挑戦です。
素直に受け入れられる部分もあれば、そうではない部分に気付くきっかけになったり、
普段とは違う関係性の構築にトライできるチャンスでもあります。

今回もいろんな状況や思いが重なる中で一つの世界が完成しました。
短い実施時間でしたが、「誰かと共に何かを行う」という事の面白さと、
その背後にあるどうしようもない困難さの両面に気付いて頂けたらいいなと思います。

皆さん、ご参加ありがとうございました!!







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クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
「いちまいばなし」 by 佐藤悠 is licensed under a Creative Commons 表示 - 非営利 - 継承 2.1 日本 License.