2013年11月25日月曜日

カウンセリングと「いちまいばなし」

ご無沙汰です。
以前このブログでも少し紹介したカウンセラーを養成する学校で
「いちまいばなし」のワークショップとトークを行ってきました。

「いちまいばなし」もカウンセリングも、
人の心にどう向き合うのかという部分が根幹にある物なので、
そこをリンクさせながら、リレーショナルアートや、アートプロジェクト等、
関係性に重きを置く表現活動についての紹介も織り交ぜてのトークになりました。
といっても、カウンセリングの事について僕は初心者なので、
今回は「心を知る技術」という1冊の本を参考に、カウンセリングの概念や言葉を学びながら、
トークを組み立てて行きました。

本によれば、カウンセリングの段階として受容、気付き、自立という3つの段階があるそうで、
1つ1つの段階を簡潔に説明すると、

受容
=クライアントが自分の悩みや欲求に向き合い、そのものを知る事。

気付き
=今までとらわれていた物に気付く。悩みの根源を知る。

自立
=新たな自分になる。新たな価値を見いだす。自分の生き方を自分で決定できるようになる。

プロセスとしては、この3段階の経過を経て、
クライアントが悩んでいる自分自身を知った上で、
どのような生き方が選択できるのかという事を、
自身で決定できる状態になる事がカウンセリングの流れになります。
重要なのは、
悩んでいる事例そのものを解決する事がカウンセラーの仕事ではないという部分で、
例えば、登校拒否の息子について悩んでいるクライアントがいたときに、
息子さんを学校に行かせるという事がカウンセラーの仕事ではありません。
まずはそもそも、なぜそのことでクライアントが悩んでしまうのか
という事を共に解きほぐしていきます。
登校拒否で悩んでしまうという事は、
もしかしたらクライアント自身が子どもの生き方への理想が強くあるからなのかもしれません。
クライアント自身が自分の悩める状態について自覚した上で、<受容>
次はその悩みを発生させる
「こうでなければならない(子どもはきちんと学校に行かなければ不幸になる等)」
という自分の中の常識が、
本当に絶対的であるべきものなのかという事に迫って行きます。<気付き>
そして、今の状況を自覚した上で、
「こんな生き方もアリかもしれない
(いま彼にとって学校に行く事が必要なのか?もう少し待つのも良いかも。等)」
とクライアント自身が新たな選択肢を発想し、その生き方を選択できる状態になる。<自立>
この状態にたどり着く事をサポートするのがカウンセラーの役割です。
あくまでサポートというところが重要です。
カウンセラーがクライアントの生き方そのものを決定したり、
その選択肢をたくさん知っている訳ではありません。

上記で説明したこのような「受容」から「自立」への流れは、
「いちまいばなし」の中で、それぞれの参加者が、
自分と全く異なる他者のイメージを受け止めた上で、
「今まで考えた事無かったけど、こんな展開や世界観も面白いかも」と、
新しい価値を発想し、物語をさらに展開してゆくという部分と共通する物があります。
また、カウンセラーの立場と同様に、「いちまいばなし」の司会の役割をする僕も、
物語の結末や面白さを、参加者自身が決定してゆく事をサポートする役割であり、
けして物語の結末や面白さを知っている訳ではないという部分が似ているなと思いました。

さて、そんな「いちまいばなし」と共通点の多いカウンセリングなんですが、
今回このワークショップで作った物語は、こんな物語になりました。


「みんなの夢」
2013年11月23日

公園でクリスマスが行われていました。
公園には噴水と、切られてしまって半分になった大きな木がありました。
その木から、別の木にイルミネーションが飾られていました。
公園にはお母さんと子どもがいました。
そこにプレゼントが大、中、小とありました。
意外と小のプレゼントが良さそうで、
開けてみるとゲームが入っていました。
それは今まで誰も見た事もやった事も無いゲームで、
切られた木から、噴水まで飛べるかというゲームでした。
プレゼントの送り主は解りませんでした。
もう少し人が来てほしいなと思って、
ラジカセでクリスマスソングを流すと、
人が30人程集まってきて、
みんなで木から噴水に飛ぶゲームをやって、とても盛り上がりました。
ゲームで1等になった人が大きなプレゼント、
2等になった人が中くらいのプレゼントをもらいました。
2等の中くらいのプレゼントは、箱にいっぱい入った宝くじでした。
1等の大きいプレゼントはハワイ旅行で、その場にいた全員分チケットがあったので、
みんなバラバラでハワイへ行きました。
そして、これは全て最初にいた親子の子どもの見た夢でした。

という感じで、さすが志を同じくする受講生が集まったとあって、
かなり安定性が強く、
互いの意向を汲み合いながらの優しい気持ちがあふれる物語づくりになったかなと思います。
ただし、そんな状況でも一筋縄では行かないのが「いちまいばなし」の面白い所。
きちんと変な話に仕上がりました。

今回は新たな試みとして、この物語を作った後に、
なぜその発想が出て来たのか?という所を参加者にインタビューし、
参加者の心のやり取りをあらわにするワークも行いました。
様々な思いやりが折り重なりながら、結局どこか変な物語に行き着いてしまうという、
その内情があらわになったところは、とても面白かったです。

そんな新たなワークの様子は、満を持して次回の更新でお伝えします。
それではまた次回!

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