2012年3月9日金曜日

「WAKABADAI SKY DRAGON 100mの向こう」 その6




2011年9月23日~10月2日、横浜若葉台団地で「空の芸術祭」という、「空」と「ブータン王国」をテーマにしたアートプロジェクトが開催された。総合プロデューサーは日比野克彦。7人の日本人作家とブータンの作家1人を迎え、17000人が生活する若葉台の中で様々なプロジェクトが行われた。会期中にはブータン王国のティンレー首相も若葉台を訪れ、大きな盛り上がりを見せた。
作家の1人として芸術祭に参加した私は、ブータンの国旗に登場する龍をモチーフに、100mの長さのDRAGONを作り、街を行進する「WAKABADAI SKY DRAGON」というプロジェクトを行った。以下の文章は、約2ヶ月の滞在制作を記すために綴る、不定期連載の活動記録である。

参考動画はブログの右手の動画コーナーにあります。

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<その6>
どうにかこうにか、第1回の公開ワークショップを終えた僕の周りには、小学生を中心に10人程度のレギュラーメンバーが集っていた。第2週は、彼等を中心にさらにこのプロジェクトに引き込む為、それぞれが1匹づつドラゴンを作る事を目標として、活動を始めた。サイズは公開ワークショプの物よりもさらに小さく、また、構造も筒状ではなく旗状に変え、より平易に工作できるようにした。各人が平日の5日間をかけて、発泡スチロールで頭部を、ビニールシートを具材にしての胴体の制作を行ってドラゴンのベースを作り、さらに週末の公開ワークショップで、飛び入りの参加者と協力してウロコ張りを行いドラゴンを完成させるというプログラムを計画していた。




自分のドラゴンを作ると言う事で、常連のメンバーは色めき立ち、熱心に活動に参加した。頭部のデザインはテンプレートを僕が作り、ディティールはそれぞれの子供たちに任せる事にした。最終行程のウロコ張りは、ウロコを切り出す作業や貼付ける作業を各個人が各々で行ってしまうと時間がかかりすぎてしまうため、公開ワークショップで様々な人に作業を手伝って貰う様にした。僕の意図としては、他者に手伝って作業を進める部分を制作過程に入れ込む事で、「他者と共作した」という意識が生まれ、完成したドラゴンを誰かと共有する事も出来るのではないだろうかと考えていた。ドラゴンを作るのには時間がかかるが、それで遊びたい子はたくさんいる。出来上がったドラゴンを他の子たちにも貸せる事ができれば、僕にとっても有用だった。第二週のワークショップを終えて、最終的にドラゴンは6体できあがったのだが、子供たちの意識は、僕の予想していた方向へは行かず、よりドラゴンへの愛着が増す分、所有欲も増してしまい、出来た物を誰とも共有できなくなってしまった。また、この頃初期の参加メンバーが、新たに参加したメンバーに対して優位に立ちたがると言う状況も生まれ始めてきていた。



今後のプロジェクトへ向けてより多くの人が参加できる開かれたワークショップと「共作、共有」=みんなで一つのモノを作って楽しむというコンセプトが見えて来た。そこで、最初に頭にあった「龍踊り」のイメージを引っ張り出し、巨大で長いドラゴンを時間をかけてつくり、芸術祭最終日に人を集めて商店街を行進する、「100mDRAGON」の構想を打ち立てた。

つづく

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